2010年3月17日水曜日

塩竈神社前の浜手の角




夏目漱石「行人」より

 和歌山市を通り越して少し田舎道を走ると、電車はじき和歌の浦へ着いた。抜目のない岡田はかねてから注意して土地で一流の宿屋へ室の注文をしたのだが、あいにく避暑の客が込み合って、眺めの好い座敷が塞がっているとかで、自分達は直に俥を命じて浜手の角を曲った。そうして海を真前に控えた高い三階の上層の一室に入った。


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塩竈神社から妹背山に向かう浜手の角のところです。



これは同じ角のところの戦前の絵葉書です。
一番右側に見える松は、現在の写真の松と同じものでしょうか。